うつ病とパニック障害
うつ病とパニック障害というと、一見、まったく正反対の症状が出る病気にように思えます。
しかし、パニック障害によって、うつ病を併発してしまうことがあるのです。
パニック障害というのは、その人が苦手とする環境に置かれたとき、自分の感情や行動をコントロール出来なくなる障害です。
動機やめまい、激しい嘔吐などの症状が、自分の意志とは関係なく出てきてしまうのです。
こういった症状が勝手に出てくるため、パニック障害の人は常に不安を抱えています。
その、
「また発作が起きるのではないか」
という予期不安が、広場恐怖症というのを引き起こします。
広場恐怖症になると、人前や人ごみだけではなく、外に出ること自体が怖くなってしまうので、家に引きこもるようになります。
こうなってしまうと、社会生活に支障が出て普通の生活が出来なくなり、うつ病が併発してしまうのですね。
パニック障害によって発症するうつ病は、「二次的うつ病」と呼ばれています。
「二次的うつ病」はパニック障害が原因で起こっているので、パニック障害を治療すればうつ病が治ると勘違いしてしまう方がいるようです。
しかし、あくまでも、「パニック障害」と「うつ病」は別の病気です。
ですから、いくらパニック障害を克服しようとしても、うつ病に対しては何の効果もないということになります。
パニック障害が治ったとしても、うつ病の治療を行なってなければ、結局は普通の社会生活を送ることが出来ません。
人生の時間を無駄にしないためにも、少しでもうつ病の症状らしいものを感じたら、早急に治療を始めるようにしましょう。